我が敵は我にあり

~ 営業を突き詰めると見えて来るもの ~
商売では営業マン(売り手)が勝手に「買うこと」を決める訳にはいきません。買うかどうかを決めるのは常にお客様(買い手)です。

最初にお客様と出会ってからお客様が買うと決めるまでに、営業マンが出来る事と言えば「商品内容をご説明させて頂き、必要ならいろいろな選択肢も提示。その上でお客様のご意見を聞き、自分が最適だと思う商品をご案内・ご提供する」ことです。お客様は売り手の説明に納得すれば買うと決めます。

営業として一番難しいのは「お客様」と出会うことで、見込客をどう作るかはとても大きな課題です。
しかし営業マンの「人間性」が高ければ、人を惹きつける魅力があふれ出てきて、お客様と出会える確率は高まります。

そして、次に難しいのが『お客様にどれだけのメリットがあるのか』をご説明することですが、この課題も、心の底からお客様のご意見を聞き、親身に考えれば自ずと答は見えてきて、お客様にあったご提案ができるようになります。

つまり人間性の高い営業マンなら、普通に行動すれば必ずうまくいくはずなのです。

普通にやればうまくいくはずなのに、なぜうまくいかないのでしょうか?

どこか商売がうまくいかない原因があるわけですが、営業マンの行動に問題がある場合が多く見られます。
●商品知識が乏しくて、説明に失敗してお客様を混乱させた
●どうせ買わないんだろう、と思い適当に答えて呆れられてしまった
●疲れていて、いつも笑顔でいられず不機嫌な対応をしてしまった
●品薄だったので「納期遅れは当然」と思っていたらキャンセルされた
●長い商談で同じ説明を繰り返し「いい加減、決めてくれ」と声が荒くなった

こうした気持ちで仕事をすると身体のどこからか、負のオーラがにじみ出てしまいます。「良い人になるぞ・お客様のために」と心で思っていても肉体的・精神的なストレスからつい、悪い自分が現れてお客様が不愉快になるような行動をしてしまいます。

お客様はそうした無礼な対応やミスに対して『身体が疲れている、ストレスなんだな』と気がついて、寛容さを示してくれることはあまりありません。

無礼やミスに対しては厳しく冷たく「買わない決断」が待ち受けています。

だからこそ営業マンは業務時間中はどのような時でもベストな対応が必要なのです。営業マンの最大の敵はライバル会社でも、嫌な上司でも、口うるさいお客さまでもなく、実は自分の心の中に潜んでいるのです。

我が敵は我にあり。その事に気づいてください。
そして自分をコントロールできるようになれば最高の営業マンになれる日はそう遠くありません。